AI駆動開発カンファレンス 2025秋が面白すぎた!──AI×人間の開発チームと“これからのエンジニア”を考える
2025/10/30〜10/31に開催された「AI駆動開発カンファレンス2025秋」にオンライン参加しました(お誘い感謝です)。開催後はアーカイブも無料公開、どのセッションも面白すぎて気づけば全て視聴していました……

地方でも最前線の現場を体感共感できたこと。
個人任せなAI使用はあるが、「組織で取り組むAI駆動開発」という非常に興味深い実例。
それ以上に「今後のエンジニアの未来」が詰まっていました。
何がどう面白かったのか、一部セッションを紹介しながらまとめてみます。
AI駆動開発カンファレンス公式Webサイト:https://www.ai-driven.dev/
AI駆動開発カンファレンス2025秋イベントページ:https://aid.connpass.com/event/367698/
AI駆動開発勉強会YouTube(アーカイブ公開):https://www.youtube.com/@AI_Driven_Development0202
セッションタイムテーブルはこちら


オープニング(実行委員長 挨拶)

このカンファレンスやコンソーシアムを立ち上げた、設立発起人・実行委員長の荒井さん。
十数年前にお話して、技術にまっすぐ真摯で面白く素敵な感性の方だなぁと感じた記憶そのまま、立ち上げ素晴らしすぎます。

あと数年したら今のAIを超えるAGI(汎用人工知能)が出てくるだろう世界で
「請負開発や人材派遣はなくなるのではないでしょうか」
「じゃあエンジニア何すんだと」
「AI全盛期になったら引退してサウナ経営でもやるかと(笑)」
「AIが欠けている領域、人間だからこそという部分が重要」
「プログラミングやコンピュータサイエンスが分かる人間は今後も絶対必要、ただしワーカーではなく感動やチームを作れるクリエイティブなエンジニアの需要が高まる」
「今大事と言われるレビューもどこまで人間が必要か、将来的にはレビューAIが進化するはず」
多くのエンジニアが感じているだろう感覚、まっすぐストレートな対話。
オープニングでご飯が何杯もおかわりできます。
以降の各セッションでは、上流工程の仕様駆動開発(SDD)、テスト駆動開発(TDD)など、今後必須なキーワードや技術実践方法など勉強になりますが、どのセッションにも「AIと人間はどう付き合っていける?」「エンジニアの未来は?」といった根本的な共通概念を感じました。
以降、そう感じた部分を紹介してみます。
自分の備忘録(方針の勇気づけ)のためにも!
参考:今のAIは目指した人工知能ではない……
以下のReHacQ動画も興味深かったです。
・今のAIは単なる文字列処理(LLM)でシンギュラリティを超えない、人間自体の解析が進んでいないから。
・今の学校やテストのあり方=正解がある問いに人間が答えを返す行為は意味がなくなる。AIのほうが詰め込み教育が完璧だから。
・「私たちは何のために勉強しているのか?」が問い直される。
・人間がやったことに価値が出てくる。生成AIは過去の組み合わせ、全くゼロから閃く「アート」はできない。
【高橋弘樹vs慶應名誉教授・冨田勝】AIは人間を超えない…なぜ?ChatGPTがAIだと言えないワケ…AIと人間の未来とは【ReHacQ】
AI駆動開発実践!SI企業における開発プロセス再設計の取り組み紹介 / シンプレクス株式会社

・AIフレンドリーな開発プロセスやデータの整備等が不可欠。
・案件を超えて組織横断的にナレッジ共有できるチームを作った。
→案件並走型で効果測定、効果が見込めて案件独立型へ。
→仕様が曖昧など人間同士の詰めが不足だとAI効果なし。・社員1人1人にインタビューしてAI使用のポイントを確認した(業務プロセスの洗い出し)。
・AIによるスケーラブルなタスク実行、人間が逐次AIを使う形だと人間がボトルネックになるため。
・品質担保は最終的に人間。
トライエラーの実例、課題や評価、どこを聞いても参考になります。
AI x 組織でのチーム開発を成功に導く方法 / JTP株式会社

ジュニア:AIで開発基礎を学習する
シニア:ジュニアをメンタリングする
→時間をかけて土台を作ること!
(アーキテクト・設計能力、AI活用・コミュニケーション能力、問題発見・解決能力)
「ジュニアエンジニアをどう育てるのか」
自分も感じるこの葛藤を皆さん抱えられているのだなと実感できました。
AIの生成コードや文章をあまり理解せずに扱うジュニアも登場する昨今、レビューなど指導するシニアはタスク増で疲弊。これからさらにAIが進んだ未来でシステム業界や開発環境がどうなっているかは未知数、そのため長期的な育成方針もハッキリできず、、、
「ジュニアを育てるより、AIと二人三脚が早いし楽では」そんな想いがよぎることも。
それでも、シニアはジュニアを育てること。
新しい世代にも「基礎学習を徹底」からの、コミュニケーションや問題発見の力を……といった流れに共感します。

人間の業務プロセスを洗い出し、以下のようなポイントでAIを仲間に加える。
①仕様駆動で品質向上
②レビューを効率化
③ナレッジ運用で省力化
このポイント3点も、多くのセッションで共通していました。
AIをチームメンバーに育てる— コンテキストを共有する開発環境づくり / 株式会社ネクストスケープ

・AIは使う人間側のテクノロジーの基礎力・応用力が必要
・うまくいかない実例で有名な言葉「ChatGPTがそう言ってました」(→チェックの重要性!ジュニアの教育!)

・人が書こうが、AIが書こうが間違いはあるという認識(とにかくレビューやテストが不可欠)
Beyond Scrum AIの力で開発プロセスを変革し続けるチーム / KDDIアジャイル開発センター株式会社

新しい課題にトライエラーできるチームづくり。
人間同士のコミュニケーションがさらに大事になっていくのだと、しみじみ感じます。
・ジュニアはAIとの会話の中で学びを深めてもらう。→からの、チームで考えて決めていく。
仕様駆動開発を実現する上流工程におけるAIエージェント活用 / 株式会社Algomatic

・現在のAIコーディングに残る課題:想定外の挙動、経緯を残しにくい=コンテキスト不足等
→足りないコンテキストを埋めるための質問が大事!(AIとのコミュニケーション)
→人間のコミュニケーション高速化にもAIは活用できるが、事前の業務フロー分析が肝。
生成AIを活用した保守巻き取り!! テックファーム流実践テクニックのご紹介 / テックファーム株式会社

「仕様書などのドキュメントは一切なければコードの様子も怪しいシステムの運用保守」 アルアルですね……
こういった保守案件にAIを活用!
営業フェーズや受注後の運用、Tips(コツ)満載のセッションでした。
業務プロセスをしっかり洗い出した上で、課題分析。「どこでAIを使うか」「どのAIをどんなプロンプトで」組織全体として定義する重要性を感じました。
BPRやDXを他社に進めてきた自分たちエンジニア(システム系の会社)こそ、もっと自分たちのBPRに向き合う必要がある。
導入で終わらせないための「生成AI×組織開発」 / 株式会社メルカリ

メルカリでも「開発フローの言語化」の話。
・ワークフローを見直すために、現在行っている業務の棚卸しからはじめた
MCPで切り開くセキュアーなAIプラットフォームとその実効性 / QueryPie, Inc.

AI事業を進めるためには、その前の「データ整理」が肝(業務プロセスの洗い出しも一環)、やっぱりそうですよね。
なぜなら今の生成AIは「データ」がないと何もできないから。
「失敗」と「成功」のすべて:クラスメソッドが語るAI駆動開発のリアルな現在地 / クラスメソッド株式会社


AIと人間の役割分担、業務
AIと人間、それぞれの強みと弱みをきちんと把握して、足りない部分をプロセスやサービスで埋めること。
AIだけで進めると「再実行可能性」「透明性」が担保できない問題、ナレッジが溜まっていかない問題などが発生する。
他セッションでの「質問してコンテキストを埋める」「履歴を残すよう運用サポート」などの話ときっと同じですね。
現場での真摯なトライエラーと共有が尊いです。
モノタロウのAI駆動開発の最新状況AIと共に進化するモノタロウ / 株式会社MonotaRO

モノタロウさんは「現場の人間がAIに聞きながら作った問い合わせ検索システムが素晴らしい」という事例紹介でした。
・AIに得意分野を任せる
・最後の判断は人間の責務にする
この分担は全セッション共通(AI使われてる皆さんも間違いなく同じ感覚ですね)、今後のシステムや業務にAI導入する際の基本ですね。

個人でのAI利用は上記表の「支援型」(人間が主導、AIが補助)が多いでしょうが、生産性の効果を大きく出すには「置き換え型」(AIが主導、人間は監督)。
そのためには組織全体で取り組む必要があって、すると業務プロセスの洗い出しやデータ整理に直面するのでしょう。

組織でのAI駆動開発はチームづくりから
複数セッションで「チームづくり」「組織文化にしていく道筋」についても触れられました。
・モチベの高い自発的なメンバーが楽しく動けること
・AI駆動開発に特化したチームを立ち上げること(組織横断)
など。
AIで急増したコード生産「量」の荒波をCodeRabbitで乗りこなそう / CodeRabbit Inc.

AIと人間の関係。
「AIは増幅器である。
高パフォーマンスの組織をより高く、
苦戦する組織の機能不全を拡大する」
という痺れるフレーズの紹介もありました。

AIはどんどんスピードも生産性も上げており、いま問題は何かと考えたときに「ボトルネックは人間(私)である」という気づきが大事。
→そこから「役割と業務プロセスの見直し」へ。
Hypervelocity Engineeringの世界 – Vibe Coding の先へ / 日本マイクロソフト株式会社

詳しい技術ナレッジ、「範囲を狭めて検索させない」「時間のかかる処理か事前確認」など丁寧なコツ紹介に、力強い想いも乗ったセッション。
AIの成果物を必ず読んでください。
私たちはこれまで以上にコードや設計書などを読む時間ができているはず!
「責任」「レビュー」「作業の判断」これらを担保できるエンジニアが必須になる。
I駆動開発のその先へー真の本質的価値を探求できる組織・企業をつくるには? / ランスティア株式会社

一番心掴まれたセッションでした。
起業、受託事業の難しさから、AI駆動開発に至った経緯や課題など、包み隠さず紹介。
開発現場はAI化が進んでいくでしょうが、他業界のデジタル化ニーズを埋めようとしても環境や人材が厳しい状況(日頃の業務に追われている/PCを使えない/データがまとまっていない等)。
生き残り戦略のために中小のIT企業側がアナログに入っていくこと、そういった仕組みを作っていくほうが近道に感じる。
完全同意、共感です。
(経営・技術力やサービス作りなど遠く仰ぎ見上げながら……)
クラウドインフラをAIで簡単に生成.する「Rinstack」の紹介もありました。

最先端の技術で時代をつくり、世界を変える。
アンテナを張っている特性のあるエンジニアがイノベーションの担い手になってほしい。
中学校で「システムエンジニアとは?」
自分が以前、岐阜の中学生に「システムエンジニアって何?」職業講話をしたときのスライド資料を思い出しました。


ITは「Information Technology」情報の技術。
システムエンジニアとは、システムを提案・設計・開発する人。
エンジニアこそ夢をたくさん描いて、AIとタッグを組み、もう片手でAIの入ってこれないアナログ分野・人間性と手を繋ぎながら、情報を処理、良いシステムを現実にしていく未来へ。
関システム部でも
・夢見たサービスを形にしていく
・関市の中小企業や団体のシステム部になる(デジタルとアナログを繋ぐ)
に取り組んでいきたい、似た視点で未来を作っていきたいと思っています。
引き続き「AI駆動開発コンソーシアム」も「AI駆動開発カンファレンス」も追っかけていきます。
このブログで興味を持たれた方は、今回のカンファレンスのアーカイブ視聴もぜひどうぞ。
未来にワクワクします。
勉強もしていかないと!
